「ほたるの宿 仙洞」は、金鱗湖から川沿いに数分歩いた、お土産屋さんが立ち並ぶエリアの川を挟んだ向かい側にある、こじんまりした温泉宿です。
車で行く場合は、柵の無い小さな橋を直角に曲がりながら渡ることになるので、ちょっと注意が必要です。
観光エリアのど真ん中にあるにもかかわらず、敷地内に一歩入ると、狭いながらもとても静かで心地よい雰囲気の空間が現れます。こちらがフロントになります。
全部で16室ほどの小さな宿ですが、今回は2室しかない露天風呂付き客室のうち、囲炉裏がある方のお部屋をリクエストしました。外から見ると、こんな感じです。
部屋は古民家風の造りで、囲炉裏のある板の間と、寝室、広縁、露天風呂がコンパクトにまとめられています。露天風呂は、はじめは取ってつけた感じの印象でしたが、実際にお湯を入れて入ってみると、なかなかいい感じの雰囲気で、とても気に入りました。
提灯の下がったいい感じの離れの木戸をくぐると、共同の大露天風呂があります。広くてゆったり入ることができるので、気分を変えたいときにはこっちがいいですね。ちょっと暗くて、落ち着いた雰囲気のお風呂です。
そしてお風呂の入り口には、なんと無料でいくらでも飲める生ビールのサーバーが置いてあります。ゆで卵も食べ放題です。これは同系列の「狭霧亭」や「ゆふいん亭」などでも実施していて、呑兵衛にはもってこいのサービスですね。ただし夕食時の持ち込みは不可となります。
この宿は立地がいいので、チェックインしてひと休みしてからでも、湯布院の町をゆっくり散策することができます。夕食までの間、金鱗湖から湯の坪街道、玉の湯まで、あちこち足を延ばしてきました。
もうこの頃には人もまばらで、昼間の喧騒が嘘のようです。
夕食はこちらの食事処でいただくことになりますが、私たちは一つだけある個室に通されました。これまた雰囲気の良い個室で食べる懐石料理はとても美味しかったです。メインは豊後牛のステーキ。お腹いっぱいになりました。
夜になると、中庭がこんな感じでライトアップされます。まさに和の情緒たっぷりの風景ですね。
食後に少し歩けば、亀の井別荘のバー「山猫」や、玉の湯のバー「ニコル」にも行くことができますが、今回は部屋で生ビールを飲むことにして、亀の井別荘まで散歩に行ってきました。人ひとりいない静寂に包まれた敷地の中は、何とも言えない雰囲気でした。
部屋の露天風呂は、夜はこんな感じになります。すごく解放感があるわけでもないのですが、なぜか心地よくついつい長く入ってしまいました。
大露天風呂もこのような感じで、こちらもゆったりと浸かることができます。
次の朝早く起きて、金鱗湖まで散策してきました。こちらも昼間は人でいっぱいですが、早朝は人もいなくて、静かで幻想的な湖の姿を見ることができます。
朝食も昨夜と同じ個室でいただきました。シンプルでありながらもちょっとした工夫があり、ヘルシーで美味しかったです。
チェックアウトまで時間があるので、露天風呂に入ったり、広縁で寝そべったりして、のんびりくつろぐことができました。
「仙洞」は数ある湯布院の宿の中でも、立地がいいのが特長です。早めにチェックインして、昼、夜、朝それぞれの湯布院の景色を楽しんでみてはいかがでしょうか。全体的に低めの価格設定になっていますが、予算が許せば露天付の客室をお勧めします。