名門大洋フェリー
■フェリーきょうとⅡ・フェリーふくおかⅡ (9,800トン、全長167m、全幅25.6m)
■フェリーおおさかⅡ・フェリーきたきゅうしゅうⅡ(15,000トン、全長183m、全幅27m)
写真 [写真は名門大洋フェリーHPより引用]
「名門大洋フェリー」は、1便が「フェリーきょうとⅡ」「フェリーふくおかⅡ」、2便が「フェリーおおさかⅡ」「フェリーきたきゅうしゅうⅡ」で運航しています。
2便で運航している「フェリーおおさかⅡ・きたきゅうしゅうⅡ」が、2015年に就航した最新の船体になります。
スイート、デラックスともに豪華、ファーストもコンパクトながら、使い勝手の良さそうな船室になっています。この中で特に注目すべきは、ツーリスト/2等洋室です。
大部屋ではさすがにちょっと・・・というときには寝台(ベッド)を選択すると思いますが、これまでは上段へは梯子で昇り降りする2段ベッドのタイプが主流でした。しかし、名門大洋フェリーのツーリスト/2等洋室は、上段へは階段でアクセスする新設計のタイプになっているので、梯子を利用した時のギシギシ音などもなく、安全・快適に利用することができます。また、向き合う個室は一つだけになるので、プライベート感も従来タイプよりも高くなっています。
これは、1便の「フェリーきょうとⅡ・ふくおかⅡ」も同様の仕様になっており、名門大洋フェリーを選択するアドバンテージになっていると思います。
また、2便のエコノミー/2等室も要注目です。頭の所に隣との仕切りがあり、最低限のプライバシーが確保できるようになっています。また各ブース毎にコンセントも設置されています。
レストラン、大浴場については、やはり2便の方が新しいだけあって、きれいで清潔感にあふれています。
客室以外でも、両便ともにプロムナードや展望ラウンジ/展望ストリートなども完備されていて、そちらで持ち込みの飲食をすることもできるようになっています。
また1便だけの限定で、夕食レストラン(¥1,550/人)を利用すると、朝食レストランが無料で利用できるサービスを実施しています。(朝食レストランのみの利用は¥300) 2便では夕朝バイキングセット券購入で¥2,100(朝食のみは¥750)なので、1便の方がかなりお得になります。
あと1便の徒歩利用者向け限定で、「のんびり滞在キャンペーン」を実施しています。
1便の到着時間は早朝5:30ですが、新門司港では7:00まで、大阪南港では6:30 or 7:15(選択可能)まで、滞在が可能になります。この時間に合わせてレストランの営業や、送迎バスの運行(新門司港のみ)をしてくれるので、なかなか気の利いたサービスといえます。ただし一部適用除外日があるので、ご注意ください。
なお、これまで「おおさかⅡ」のドック休航により、隔日で変則運航がされていましたが、
10/1より通常運航に戻っています。
阪九フェリー
■やまと・つくし (13,353トン、全長195m、全幅26.4m)
■いずみ・ひびき (15,897トン、全長195m、全幅29.6m)
写真 [写真は阪九フェリーHPより引用]
「阪九フェリー」では、神戸航路が「やまと」「つくし」、泉大津航路が「いずみ」「ひびき」で運航されています。
「やまと」「つくし」は2003年就航だけあって、特等室、1等室をはじめとして、全体的に古さが否めません。
一方、「いずみ」「ひびき」は2015年に就航した最新の船体だけあって、ロイヤル、スイート、デラックスともに、豪華で機能的な造りになっています。
また寝台タイプのスタンダード洋室も「名門大洋フェリー」と同様、階段でアクセスするタイプになっています。
大部屋のスタンダード和室についても、頭部に隣との仕切りがあるタイプになっています。
客室以外にも、吹き抜けのロビー、プロムナード、展望ルームが印象的ですが、この船の最大の特長は、大浴場と一緒に露天風呂が設置されているところです。
船に露天風呂って、これまでありそうでなかった設備で、私の知る限り、ほかには無いのではないでしょうか。航行中の船上で、潮風を受けながら露天風呂に浸るというのは、想像しただけでも気持ちよさそうですね。
「阪九フェリー」のもう一つのポイントとして挙げられるのが、レストランのメニューです。
他社はすべてバイキングなのに対して、阪九フェリーだけはバラエティに富んだ単品メニューを用意しているところです。よく船に乗ると、少しだけ軽く食べたいのに、レストランに行くとバイキングメニューしかなくて、がっかりすることがよくあるのですが、これならいろいろなお客さんのニーズに応えることができて、とても良心的だと思います。まあ、船会社から見れば、バイキングの方がいろいろな面で楽で儲かるのでしょうが、こういうところがきめ細かいサービスといえると思います。
また、「名門大洋フェリー」と同様、こちらも「ゆっくりステイ」プランが用意されています。目的地に6:00に到着する便は7:30まで、7:00または7:10に到着する便は8:00まで、下船時間を延長することができます。(8:30に到着する便は、実施していません。)
こちらは、徒歩利用者だけでなく、乗用車、バイク利用者も対象になりますが、当日乗船前に各港窓口での受付が必要になります。(車両台数に制限あり)
フェリーさんふらわあ
■さんふらわあ あいぼり・こばると (9,245トン、全長153m、全幅25m)
■さんふらわあ ごーるど・ぱーる (11,178トン、全長165.5m、全幅27m)
写真 [写真はフェリーさんふらわあHPより引用]
「フェリーさんふらわあ」では、大阪・別府航路が「さんふらわあ あいぼり・こばると」、神戸・大分航路が「さんふらわあ ごーるど・ぱーる」、大阪・志布志航路が「さんふらわあ さつま・きりしま」で運航されています。
それぞれの便ともに、個室タイプの部屋に「ハローキティ」や「くまモン」をあしらった子供連れの家族を意識した部屋が用意されています。
また、神戸・大分航路の「さんふらわあ ごーるど・ぱーる」には、階段タイプのプライベートベッドが用意されています。
「フェリーさんふらわあ」の差異化ポイントとしては、神戸・大分航路に設定があるスタンダード ウィズペットルームだと思います。他社航路にも皆、ペットゲージは用意されていますが、同じ部屋にペットと一緒に泊まれるのは、ここだけだと思います。やはりペットはゲージに入れて預けるよりも、ずっと一緒に過ごせた方が安心ですよね。
■さんふらわあ 新さつま・きりしま (13,500トン、全長192m、全幅27m)
写真 [イメージ図はフェリーさんふらわあHPより引用]
昨年5月より、大阪・志布志航路に新造船「さんふらわあ さつま・きりしま」が就航しました。
新造船だけあって、最新の設備が満載です。
3層吹き抜けの解放感あふれるエントランス、広々としたレストランや展望浴室だけでなく、ホールの天井にプロジェクションマッピングで映像を映し出す、新たなエンターテイメントの試みも用意されています。
客室も様々なタイプの設定があります。
ゴージャスな船旅が楽しめるスイート、多人数で快適に過ごせるデラックス、一人でゆったりと利用できるスーペリアなどがあります。
神戸・大分航路のみ設定のあった、階段タイプのプライベートベッド客室ももちろん用意されています。また大部屋タイプのツーリストも、頭部に隣との仕切りを設置することが可能になり、快適度の大幅な向上が期待されます。
また、通路との間をアコーディオンカーテンで仕切られた、プライベートシングルという簡易個室も新たに設定されていて、プライベートベッドとのわずかな差額で利用することができます。
個人的に興味深いのは、これも従来神戸・大分航路にのみ設定のあった、ペットと一緒に泊まれるウィズペットルームがデラックスに用意されているところです。さらになんと、船内ドッグランもあるそうです。
ペット連れに対する意識の高さは、「さんふらわあ」がダントツですね。「舟遊プラン」でウィズペットルームを利用して、ペットと一緒に鹿児島~大分を巡ってみたいものです。
宮崎カーフェリー
■みやざきエキスプレス・こうべエキスプレス (11,933トン、全長170m、全幅27m)
写真 [写真は宮崎カーフェリーHPより引用]
「宮崎カーフェリー」は、「みやざきエキスプレス」「こうべエキスプレス」で運航されています。
こちらは、やはり船の老朽化により、全体的に古さが否めません。
ひとつ特長を挙げるとすると、浴室にサウナがついていることです。これもなかなかありそうで無い設備なので、とてもありがたいと思います。
新会社への経営移行により、2022年までに新造船を導入するということなので、少し先ではありますがそちらに期待したいですね。
以上が、各社・各航路の特長になります。料金比較と合わせて、参考にしていただければと思います。